「荒谷即事」 |
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野歩追帰鳥 遥窮澗水源 当峯雲欲宿 迎客石将言 上逢孤犢 林梢忽一村 敲詩安未得 環坐老松根 菅茶山 |
野歩帰鳥を追い 遥かに澗水の源をきわむ 峯に当りて雲宿せんと欲し 客を迎えて石将(まさ)に言わんとす 上(いじょう)逢孤犢(ことく)に逢い 林梢忽(たちま)ち一村 詩を敲して安まることいまだ得ず 環坐す老松の根(もと) |
孤犢…子牛 |
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【大意】野山を歩きながら巣に帰る鳥を追い、遠く小川の源までいった。雲が山の頂上に当りそのまま動こうとはしない。石は久しぶりの通行者となにか話したがっている。土橋で道に迷った子牛と出会い、林の梢の向こうには村が広がっていた。同道者と老松の根元にぐるっと座って、ゆっくりつくろう。詩を推敲するができずに心がやすまらない。 【出展】『黄葉夕陽村舎詩』前編四-ニ |