「次子月夜泛琵琶湖韻」

天女祠前湖月清
湖心乗月棹空明
風来波浪生哀響
舟在琵琶絃上行

天女祠前湖月清し
湖心月に乗じて空明に棹(さお)さす
風来って波浪 哀響を生じ
舟は琵琶 絃上在りて行く

天女祠…天女を祀った祠
空明…澄んだ水中に映る月影

【大意】良夜の湖にひかれ、天女祠前を船で行く。湖の中ほどに出るころには、月が愈々澄んで、櫓を操るごとに銀波がゆれる。折りしも一陣の風がたって、舷をたたくもの悲しい水音を聞いていると、やがて船は琵琶(湖)の舷の上を奏でつつ進むかと思われる。

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