「柏谷途中」
乱石崩沙路不分
松杉風外午
聞
昇平四海無閑地
墾破窮山幾畳雲
乱石崩沙 路分たず
松杉風外 午
聞こゆ
昇平四海 閑地無く
墾破す窮山 幾畳の雲
柏谷…駅家町大坊から新市町下安井へ越えるところ、新市町網引 柏
乱石崩沙…花崗岩の風化した山肌
昇平四海…昇平(太平)四海(天下)
窮山…頂上
【大意】石がごろごろ、砂がいっぱいで道がどこやら分からぬ。松や杉の林の向こうから風にのって午の
の声が聞こえてくる。国中が太平で閑地を残さず開発が進められ、こんな山間僻地でさえ、山の頂まで墾きつくされている。
【出展】『黄葉夕陽村舎詩』前編ニ-一三
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